在宅介護のメリット・デメリット

在宅介護が推奨される理由

厚生労働省では、要介護度の低い人は在宅介護にする方針を掲げています。
実際特別養護老人ホームへの入所基準を厳しくしています。
特別養護老人ホームに入所できるのは、自宅では負担が重くより手厚い介護を必要とする要介護3以上の高齢者としています。

なぜこのようなことを厚生労働省で推奨しているかというと、社会保障の制度を維持するためというのが大きいとされています。
高齢化社会が今後ますます進むことで、社会保障費はどんどん大きく膨らんでいます。
社会保障費の負担の大きい特別養護老人ホームへの入所者を抑制して、少しでも社会保障費の増大を抑え込もうとしているわけです。

在宅介護は、介護される側にとってもメリットはあります。
やはり人生の終末を無機質な病室のベッドではなく、勝手知ったる自宅で過ごしたいと思う人は多いでしょう。

また在宅介護する人をサポートするための介護システムも整備されています。
訪問介護サービスも日本全国に展開されつつありますし、デイサービスのような日中だけ高齢者を預かってもらえる介護システムも出てきています。
このような介護システムを利用すれば、在宅介護でも家族の負担を少しでも軽減できます。

緊急時の問題

在宅介護しやすい環境が整備されつつあるものの問題もあります。
例えばどのような介護サービスを利用している場合でも、在宅介護の場合、その大きな部分は家族が世話をする形になります。
家族で介護に関する専門的な知識を持っている人は少ないでしょうから、介護慣れしていないことによっておこる介護事故のリスクがあります。

特に問題になるのが高齢者の容体急変のような緊急時です。
専門的な知識やスキルを持たない家族の場合、どうしていいかわからず途方に暮れるケースも出てくるでしょう。
介護サービスが充実しているといっても、このような緊急時に対応できるサービスは決して多くありません。

誤嚥性肺炎のリスク

高齢者は食べ物を飲み込む能力が低下しがちです。
通常は食べ物を飲み込むときには食道が開き気道はふさがるという嚥下反射があります。
その他にも喉反射といって、唾液が気管に入らないような反応があるのですが、高齢者になるといずれの反応も鈍くなります。

その結果食べ物を飲み込んだときやつばを飲み込んだときに、誤って気道に入ってしまうことがあります。
すると口腔内に含まれる細菌が肺に到達してしまって、肺炎を起こすことがあり得ます。
これが誤嚥性肺炎と呼ばれる症状です。

年間12万人くらいの人が肺炎で亡くなっていると言われます。
年齢別でみると、そのほとんどが65歳以上の高齢者といわれています。
肺炎で亡くなる原因はいくつか考えられますが、その中でも高齢者の場合誤嚥性肺炎の占める割合が多いです。